2017年08月26日

最低賃金の改正について、長崎労働局に異議申出書を提出しました

長崎労働局は、8月10日、「長崎地方最低賃金審議会の意見に関する公示」の中で、長崎地方最低賃金審議会から最低賃金額を時給737円とする答申があったことを明らかにしました。

長崎県労連は、この答申に異議があるとして、8月25日、次のとおり異議申出書を提出しました。


2017年8月25日
長崎労働局長
小玉 剛 様
長崎県労働組合総連合
議長 大場 雅信

異 議 申 出 書

 本年8月10日、長崎地方最低賃金審議会より、長崎県最低賃金を1時間737円と定めるようにとの意見が貴職あて提出され、同日付け長崎労働局一般公示第3号によりその意見の要旨が公示されましたが、最低賃金法第11条第2項及び最低賃金法施行規則第8条の規定に基づき、以下のとおり異議を申し出ます。

【異議の内容】
 長崎県の最低賃金を1時間737円と定めることに不服です。少なくとも、大都市部との格差の拡大を縮めるために必要な額の引き上げを求めます。

【異議の理由】
1 最低賃金法第9条の主旨、特に「労働者の生計費」について考えるとき、1時間737円という水準の最低賃金では、果たして、日本国憲法が求める「健康で文化的な最低限の生活」が維持できるのか、大いに疑問です。
 私たち長崎県労連は以前から、根拠(全労連九州ブロック及び長崎県労連が過去に実施した九州地方における最低生計費試算によると、若年単身者(25歳男性)の場合、最低でも時給1,258円が必要であること等)も明らかにしながら、今のような最低賃金の額ではとうてい人間らしい生活はできないことを再三指摘してきました。最低賃金は直ちに1時間1,000円以上とされるべきであることを再度指摘しておきます。

2 あわせて、私たちは以前から全国一律最低賃金の実現を求めています。しかしこのままでは逆に、地方部と大都市との最低賃金額の格差が以前にも増して広がり、長崎から大都市圏への労働者の流出をさらに加速させてしまいます。
 今回の改定がそのまま決定されれば、東京(1時間958円)と長崎との最低賃金の差は1時間あたり221円、月に155時間働くとして月額で34,255円もの差となります。この、小売物価の差を遙かに超える異常な最低賃金額の差は、東京と長崎との生計費の差を正確に反映したものなのでしょうか。この生計費の地域差について、長崎地方最低賃金審議会できちんと議論が行われたのでしょうか。この点については甚だ疑問です。

3 また、最近の「年率3%引き上げ」ありきの最低賃金審議も問題です。今年7月5日の長崎地方最低賃金審議会で貴職の挨拶の中で紹介があった、「最低賃金については、年率3%程度を目途として、…引き上げていく」との厚生労働省労働基準局長の発言にみられるように、安倍政権の方針が、全国の最低賃金の審議を拘束しているように思えてなりません。8月10日の長崎地方最低賃金審議会本審で使用者側委員からも意見が出されていましたが、最近の中央最低賃金審議会における審議が、最低賃金法第9条第2項の「3要素」の趣旨に沿って行われているのか疑問です。もっとも、当該使用者側委員の意見は、目安額が意図的に高くされているのではないか、との趣旨での発言であったと思われますが、逆に、生計費の視点で言えば、先の2でも述べたとおり、労働者の生計費をきちんと精査した上で判断されたのかどうか、もしかすると、意図的に目安額が(特に地方の部分で)低く抑えられているのではないか、との疑念さえ抱きます。

 貴労働局の、今回の改正答申に関する8月10日付けプレスリリースには、目安制度に関する解説として、「目安は、地方最低賃金審議会の審議の『参考』として示すものであって、これに拘束されるものではないこととされている」との記述があります。しかし現実には、今回、目安額と違う判断が行われたのは新潟、鳥取、宮崎、沖縄(いずれも目安プラス1円)だけであり、他のすべての都道府県で目安と同額の引き上げという答申になっている状況では、本当に地方最低賃金審議会が自主性を発揮しているのか大いに疑問ですし、制度の抜本的な見直しが必要な時期に来ているのではないか、との思いを新たにします。
 長崎地方最低賃金審議会が自主性を発揮し、本年の長崎県の最低賃金について、さらなる引き上げの検討を行うよう求めるものです。
以 上

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2017年08月04日

(報告)県労連、7月31日の長崎地方最低賃金審議会で意見陳述。

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現在、長崎県の地域別最低賃金の改訂について、長崎地方最低賃金審議会で議論が行われています。これに対する長崎県労連としてのとりくみを報告します。

最低賃金審議会の委員は、公益代表委員、労働者代表委員、使用者代表委員の三者で構成されますが、全国的に、労働者代表委員は連合が独占している状況にあります。今年4月から任期が始まっている「第52期」についても、県労連加盟組合から労働者代表委員として2名を推薦したものの、今回も「総合的な判断」(長崎労働局)により、県労連からの選出はありませんでした。

7月5日、第1回長崎地方最低賃金審議会を傍聴(参加者は、長崎県労連から2人)。7月19日には、長崎地方最低賃金審議会に対し意見書を提出、意見陳述を求めました。その意見書では、すべての人の生存権を保障するに足る最低賃金制度の確立を強く求めて、以下の3点を要請しました。
  1. 最低賃金は、生計費原則に基づき、すべての人の生活を保障するのにふさわしい水準とすること。政府目標の3%「引き上げ額」に止まることなく、時給1500円水準を目指し、当面は速やかに1,000円以上への引き上げをおこなうこと。
  2. 全国一律最低賃金制度の確立を目指しつつ、大都市圏との地域間格差を縮小すること。
  3. 最低賃金審議会での長崎県労連意見陳述の場を設けていただくこと。
  4. 最低賃金審議会は、専門部会を含めてすべて公開とすること。
このような中、厚生労働省の最低賃金審議会目安小委員会は、7月25日「労使の意見の隔たりが大きく、遺憾ながら目安を定めるには至らなかった」として、全国加重平均を時給25円引き上げ、848円とする公益委員見解を示し、目安小委員会の報告として公表しました。これによると、長崎を含むDランク地域の引き上げ目安額は、22円。Aランクは26円ですので、仮に目安どおりに改定されると、東京は958円、長崎は737円となり、その格差は現行の217円から221円へ、さらに4円も広がってしまいます。「これでは、若者などの地方からの流出と大都市部への集中に拍車をかけることは明らか」です。

7月31日、第2回長崎地方最低賃金審議会で、長崎県労連から大場議長が意見陳述を行いました。陳述の概要は「(1)ランク別の目安のとらわれることなく直ちに最低賃金を1000円以上にすること。(2)地域別の格差を解消するため全国一律最低賃金を実現するよう国に要請すること、など」。陳述時間は15分弱、質問は、労働者審議委員から、「2010年、全労連九州ブロックが公表していた最低生計費(長崎県大村市)データーについての調査母数など」がありました。

審議会への傍聴は、県労連の要求どおり公開(県労連からの傍聴参加1人)されましたが、その後開かれた専門部会は残念ながら非公開でした。
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2015年08月27日

長崎地方最低賃金審議会から、今年の最低賃金を1時間694円とする答申(意見)。県労連は意義申出書を提出。

8月24日までに、47都道府県すべてで、各最低賃金審議会から答申(意見)が出されました。中央最低賃金審議会が出した改定の目安額に対して、プラス1円は10府県、目安通りは36都道府県、マイナス1円が1県(神奈川)とのことです。

答申結果では、1時間900円台が2都県、800円台5府県、700円台24道県、600円台が16県残っています。最高額は東京都の907円、最低額は、鳥取、高知、宮崎、沖縄の4県で693円です。全国加重平均は798円。18円の引き上げとなりました。

長崎は、目安額16円にプラス1円の17円アップ、694円の答申です。佐賀、熊本、大分、鹿児島と同額です。しかし、最高額と九州5県との地域間格差は211円から213円に拡大することになります。
長崎県労連は、この答申を不服として、最低賃金法第11条第2項に基づき、8月26日、長崎労働局長へ以下の異議申出書を提出しました。

2015年8月26日
長崎労働局長
大塚 崇史 様
長崎県労働組合総連合
議長 大場 雅信
異 議 申 出 書

 8月11日、長崎地方最低賃金審議会より、1時間694円との意見が提出されました。3年連続の2桁引き上げ、中央最低賃金審議会の目安額に1円プラスとなる17円の引き上げであり、関係者各位のご奮闘に敬意を表します。
 しかしながら、大都市部との格差の拡大を食い止めるには至っておらず、まだ不十分と言わざるを得ません。そこで、本年8月11日付け長崎労働局一般公示第3号、「長崎地方最低賃金審議会の意見に関する公示」に関し、異議があるので以下のとおり申し出ます。

【申出の内容】
1 本年の長崎県の最低賃金を1時間694円とすることに不服です。
2 大都市部との格差の拡大を縮めるために必要な額の引き上げを求めます。

【申出の理由】
1 最低賃金は、労働者の生計費、類似の労働者の賃金、通常の事業の賃金支払い能力によって決められているとされています(最低賃金法第9条)。意見陳述でも述べましたが、この3要素のうち「労働者の生計費」について考えるとき、1時間694円という水準の最低賃金では、フルタイムで働いたとしても月に10万円~13万円の手取りにしかなりません。この手取りで果たして、日本国憲法が求める「健康で文化的な最低限の生活」が維持できるのか、大いに疑問です。
 私たちは以前から、最低賃金は少なくとも1時間1,000円以上必要であることを、意見書や意見陳述を通じて、独自の調査(全労連の最低生計費試算)結果や非正規労働者の実態などの根拠を明らかにしながら求めてきています。最低賃金は、速やかに1時間1,000円以上とされるべきであることを改めて指摘しておきます。

2 あわせて私たちは以前から、全労連の最低生計費試算結果に地域差がないことも明らかにしながら、全国一律最低賃金の実現を求めています。しかし逆に、ランクごとの引き上げ額には毎年開きがあり、このことから、地方部と大都市との最低賃金額の格差が毎年広がっています。今回の改定がそのまま決定されれば、東京と長崎との最低賃金の差は現在の211円から213円とさらに広がることとなります。少なくとも、大都市部との格差をこれ以上広げないような手だてを早急に打つべきであり、この視点からも本年の長崎県の最低賃金についてさらなる引き上げの検討を求めるものです。
以上


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2015年08月07日

8月3日、第2回長崎地方最低賃金審議会で長崎県労連から意見陳述

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去る8月3日(月)、第2回 長崎地方最低賃金審議会が開催され、県労連から大場議長が意見陳述を行い、最賃の大幅引き上げを求めました。
この日の審議は公開で行われたため、県労連から4名が傍聴しました。

【意見陳述に先立ち提出した意見書に記載した要請項目】
  1. 最低賃金を大幅に引き上げること。特に、大都市圏との地域間格差の是正を行うこと。
  2. 改定審議にあたっては、政府の雇用戦略対話における政労使合意(2010年6月3日)をふまえ、速やかに時給1,000円以上とする方向で審議を行なうこと。
  3. 今期の長崎地方最低賃金審議会委員においても、労働者代表委員には長崎県労連からは選出されていません。審議会で長崎県労連の意見陳述の場を設けていただくこと。
  4. 審議会は専門部会を含めて公開していただくこと。併せて、ホームページでの審議状況の報告や各種公示等の周知については、過去の記事へのリンクも残しておくなど、審議経過も含めてより分かりやすく表示するように改善すること。
【当日の陳述要旨】
  • 最低賃金のあり方や役割、最低賃金と長崎の労働者の現状について。
  • 審議会で意見を述べるにあたり 県労連加盟のいくつかの労働組合に意見を聞いたことを紹介。ある単組からは、「職場の労働者は パートが多い。パート職員の賃金は最低賃金に近い時給 682 円だ。パートの賃金は最低賃金そのもの言っても良いくらい。従って、最低賃金の動向がパートさんの大きな関心事になる。物価の上昇もあり、昨年と比べて実質賃金の減額率は、正規と比べてとても大きい。 今年度の審議会で最低賃金が大幅に上がることを期待している。」という声があった。今や労働者の 4 割を占める非正規労働者は最低賃金の水準で働いている人が多い。
  • 目安がそのまま実施されたとして、D ランクの長崎と A ランクの大都市とでは、昨年211円の格差が、214円とさらにひろがることになる。この格差の拡大を是正するための議論が必要。一つの考え方が、全国一律の最低賃金制度である。格差是正、そして地方を元気にするためにも全国一律の最低賃金制度を確立しなければならない時期に来ているのではないか。

その後の質疑では、労働側委員お一人から質問がありました。

Q1:中賃答申について。政治が過度に賃上げに意見を言っている。自分としてはどうかと思う。下がるときにも意見を言うというのだろうか。答申についての評価を聞きたい。
→A1:昨年を上回ったことは評価する(しかし不十分)。政治が過度に意見を言うことについては、委員と同意見で、どうかと思う。

Q2:過去に県労連は、生活保護との乖離があるとの意見だった。県内加重平均との乖離は解消したが、都市部で見ると乖離はある。それへの県労連としての意見は従来どおりか?
→A2:検証を続けたい。(※質疑でははっきりと回答しませんでしたが、県労連は従来から、「県内加重平均」はもとより、長崎市など都市部の生活保護との乖離解消を求める立場です。)

Q3:生活保護費体験(最賃体験)は今年はやったか?
→A3:実施していない。

Q4:パートの皆さんの賃上げはどうだったか?
→A4:1単組で、2円のベースアップがあった。


なお、使用者側委員からは質問がありませんでした。

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2014年10月12日

最低賃金額を下回る賃金は、違法です。

今月(2014年10月1日)から、長崎県の最低賃金は時間給で677円に引き上げられました。
パートの方も、アルバイトの方も、働くすべての人に適用。
給料日には、あらためてあなたの賃金をチェックしてみましょう! 

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追伸 長崎県の最低賃金は昨年度から13円上がったものの、全国では最も低い額。
このことに関して、10月1日の夕方、地元テレビ局ニュース番組「NIB news every.」に長崎県労連が録画で出演しました。ほんの十数秒でしたが…

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2014年08月20日

最低賃金の改正について、長崎労働局に異議申出書を提出しました

長崎労働局は、8月5日、「長崎地方最低賃金審議会の意見に関する公示」の中で、長崎地方最低賃金審議会から最低賃金額を時給677円とする答申があったことを明らかにしました。

長崎県労連は、この答申に異議があるとして、8月19日、県労連議長名で次のとおり異議申出書を提出しました。
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2014年8月19日
長崎労働局長
小鹿 昌也 様
長崎県労働組合総連合
議長 塩塚 二朗
異 議 申 出 書

 8月5日、長崎地方最低賃金審議会より、中央最低賃金審議会の目安額と同額である13円の引き上げが答申されました。2年連続の2桁引き上げではありますが、改定額677円は全国最下位レベルであり、大変遺憾です。
 本年8月5日付け長崎労働局一般公示第4号、「長崎地方最低賃金審議会の意見に関する公示」に関し、異議があるので以下のとおり申し出ます。

【申出の内容】
1 本年の長崎県の最低賃金引き上げ額を13円とすることに不服です。
2 最低賃金は早期に時給1,000円以上に引き上げるべきです。本年については、大都市部との格差の拡大を縮めるために、少なくとも引き上げ額を19円以上とすることを求めます。

【申出の理由】
1 私たちはこれまで、意見書や意見陳述を通じて、独自の調査(最低生計費試算)結果や非正規労働者の実態を明らかにしながら、最低賃金が少なくとも1,000円以上なければならない根拠を示してきています。しかし、今年の答申は、8月1日の意見陳述からわずか4日後に出されており、私たちの主張をきちんと吟味したのか、疑問を持たざるを得ません。今回の改定について、厚生労働省が10月1日発効を重視していることから、例年より早い審議が行われたと伝え聞いています。限られた審議日程の中、時間切れで目安どおり、安易に決めてしまったのでは、と言われても反論できないのではないでしょうか。

2 あわせて、私たちは、最低生計費に地域差がないことも明らかにしてきています。しかし逆に、ランクごとの引き上げ額に「毎年」開きがあることから、地方部と大都市との最低賃金額の乖離が年々広がっていますが、このことについては審議会のなかで議論は交わされたのでしょうか。このまま「乖離」が拡大すれば、いま問題となっている長崎からの人口(労働力)流出がさらに深刻化するのではないでしょうか。
 全労連の最低生計費試算が示しているように、全国一律の最低賃金とすることが必要ですが、少なくとも、大都市部との乖離をこれ以上広げないような手だてを打つべきであり、そのためにも、対症療法的ではありますが、最低でもAランクの引上額と同額以上の引き上げが必要です。
以上
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2014年08月07日

8月1日、長崎地方最低賃金審議会にて意見陳述を行いました

最賃審議会意見書(過去記事参照)提出のさいに、意見陳述を行う場を設けるよう求めていたところ、8月1日開催の第2回長崎地方最低賃金審議会で参考人意見聴取を行うとの連絡があり、長崎県労連として意見陳述を行ってきました。

当日は、長崎県自治体一般労組(長崎自治労連)の吉原寿一委員長から、公務公共関係労働者の賃金実態も交えながら、審議会委員の皆さんへ次のような内容を訴えました。

  • 7月29日、最低賃金引き上げの目安について中央最低賃金審議会の答申内容が明らかになった。今年は、消費税増税や物価上昇で労働者・国民の生活が苦しくなり、最賃の大幅引き上げが実現するかどうかに注目が集まっていたが、目安は昨年の平均14円より2円高い程度にとどまり、消費税の増税3%にも届かなかった。長崎では目安通りなら13円の引き上げで、2%しか上がらない。最低賃金ぎりぎりで働かされているパートなど非正規労働者の生活はますます窮乏するばかり。大幅な引き上げを要望する。
  • 今年の5月、日本創成会議・人口減少問題検討分科会が我が国の人口推計について明らかにしていたが、この中で、将来消滅の可能性があると指摘した長崎県の市町村は10市3町にものぼっている。自治体消滅の大きな要因は、賃金の地域間格差が地方から労働力を流失させていることである。格差を是正せず低賃金を放置すれば、労働力は東京や大都市へと流出し、地方の人口減や経済の衰退を招くのは必然。
  • 2008年の年末、「年越し派遣村」がつくられる事態となり、「格差と貧困」、「ワーキングプア」の解消が政治的・社会的な課題となった。その当時の長崎県の最低賃金は時給619円、東京は739円で120円の格差があった。2013年、長崎と東京の最賃の格差は205円に広がっている。今回の中賃目安がそのまま実施されれば、格差はいっそう拡大することになる。
  • 長崎県の自治体非正規職員及び指定管理、委託など公務公共関係労働者の賃金実態について。長崎県労連は自治体非正規労働者の賃金実態についてアンケート調査を続けていて、直近では昨年末実施した。その結果を見ると、正規職員の削減が続き、非正規職員への置き換えや指定管理者制度の導入、民営化がいっそう進行している。非正規職員の割合は平均27.1%に増加、中には69.2%が非正規職員という自治体もある。また、非正規職員は福祉、医療、介護、保育、給食、一般事務等々の職場で正規職員と一緒に住民サービスの維持・向上のために働いていて、その多くは年収150万円前後、一時金は不支給が9自治体、退職金は全自治体が不支給。しかも、常に雇止めの不安をかかえている。その賃金実態は、一般事務の場合、最賃664円をわずかに超える時給600円台が5自治体、700円ちょうどが6自治体、700円台が8自治体、800円以上が2自治体。しかも勤務時間がフルタイムではないため月収は10万円程度であり、正規職員の1/3から1/4の水準に据え置かれている。指定管理者施設、民間委託の職場でも同様な状況がつくり出されている。
  • 私たちは4月、長崎市の指定管理施設の事業所を訪問し実態把握を行ったが。その中で、ある事業者は「来年、事業受託の更新期を迎える。事業を継続するためには次の入札で競争に勝たなければならない。そのためにどうすべきかを考えるが、それは人件費を削るしかない。」と話されていた。私たちは長崎市当局に対し、長崎市の「公」の施設で働いている労働者の賃金労働条件確保に市が責任を果たすよう申し入れを行ったが、「指定管理施設の労働条件について市が関与することはない。最低賃金を下回る場合は指導する。」というもので、長崎市当局は人件費引き下げの価格競争さえ容認するかのような対応であった。自治体職場では、定員管理の名のもとに大量の非正規職員への置き換えや委託化がすすめられ、そこには最低賃金がベースになっている「官製ワーキングプア」の労働者がこれもまた大量に作り出されているというのが実情。
  • 日本の労働者の賃金は98年をピークに15%以上も下がっている。これでは購買力は縮小し景気が好転するはずもない。最低賃金の引き上げは貧困対策のみならず景気対策としても有効。早期に時給1000円以上に引き上げることを目標に、大幅な引き上げを決定いただくよう強く要望する。

この意見陳述に対し、労働者委員からは「自治体の非正規の労働条件にバラツキがあるのはなぜか」との質問が出されていました。

また、最賃審議会の意見陳述については、これまでは非公開であったところ、今回初めて傍聴が認められ、長崎県労連から3人(県一般労組、長崎自治労連、ララコープ労組)が傍聴する中で行われました。
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【2014年9月30日 追記】傍聴者の人数を訂正(2人→3人)
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2014年07月01日

6月30日、長崎県議会に「最低賃金の改善と中小企業支援の拡充を求める意見書」の採択を求める陳情を行いました

金融緩和や大型公共投資、円安・株高の影響もあり、輸出関連企業等の大企業の業績は好調です。

安倍首相は、中小企業の業況改善や有効求人倍率の回復にも言及し、景気見通しは明るいとして、経済団体に「経済好循環の実現のためにも賃上げを」と要請、大企業の一部ではベースアップが実現しています。また、従来、低賃金が問題とされてきた外食、小売、運輸などの業種では人手不足が広がり、業界大手がパートやアルバイトの募集時給を引き上げ始めたとの報道もあります。

しかし、中小企業や非正規で働く多くの労働者の賃金は、今なお改善されていません。消費税増税と円安で物価が上昇する中、平均賃金は2000年より10%も低下し、雇用労働者の35%は年収200万円未満です。また、正規雇用は2007年から年々減少し、雇用労働者に占める非正規の割合は2013年平均で37%に達しています。まともな賃金を得られる雇用機会は少なく、ワーキング・プアからの脱出は困難となれば、自助努力任せでは、消費の活性化は望めません。

だからこそ、最低賃金の引き上げが重要です。

昨日(6月30日)、長崎県労連は長崎県議会に「最低賃金の改善と中小企業支援の拡充を求める意見書」の採択を求める陳情を行い、政府に対し「ワーキング・プアをなくすため、最低賃金の大幅引上げを行なうこと」「中小企業への支援策を拡充すること」などを求める意見書を提出するよう求めました。

詳しくはこちら→ 「最低賃金の改善と中小企業支援の拡充を求める意見書」の採択を求める陳情(2014年6月30日,PDF)
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2011年09月03日

九州地方最低生計費試算報告書(全労連九州ブロック)を公開します

2009年5月から取り組み始めた全労連九州ブロックの最低生計費試算報告書が、今年7月に完成しました。
すでに、九州ブロックの厚労省交渉や、長崎の最賃審議会への意見陳述時に活用しています。

今回、報告書の全文をPDFにまとめましたので、掲載します。

九州地方最低生計費試算報告書(最終版)
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2011年06月23日

小雨決行6月の「人間らしく働こうデー」

小雨雨決行6月の「人間らしく働こうデー」  
 
 
 6月のディーセントワークデーは17日早朝、霧雨が降る長崎駅前で「最低賃金引き上げexclamation」などを訴えましたわーい(嬉しい顔)手(グー)

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全法務3、自治労連1、民医労1、建交労1、ララコープ労組1、県労連2の9名で500枚のチラシを配りました。


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