2012年11月14日

無法な国家公務員給与削減を口実に、地方公務員にも犠牲を強いる財務省当局見解に 喝!

11月1日、財務省の財政制度等審議会分科会で、国家公務員の賃金水準が地方公務員より6.9%低くなっていることが公表されました。国家公務員の賃金水準が地方公務員を下回ったのは9年ぶりで、この原因は、東日本大震災の復興財源捻出を口実に、政府が今年4月から平均7.8%の違法な国家公務員の賃下げを強行したことにあります。

いま復興予算が被災地の復旧・復興とまったく関係のないところに流用されていることが大きな問題になっていますが、今回の国家公務員の賃下げは人事院勧告に基づかない憲法違反である上に、政府の「復興財源捻出という口実」さえも破綻しているという二重の意味で無法な賃下げです。年末の2013年度予算編成に向け、財務省は次は地方公務員の賃金カットが必要だなどとこれまた違法なことを主張していますが、無法を重ねる「賃下げスパイラル」はストップさせなければなりません。

自治労連は去る10月10日、秋季年末統一要求書に基づく総務省交渉を実施しました。その中で、「今回の国家公務員の賃金削減と同様の賃金削減を前提とした交付税措置はとらないこと」などを求めたのに対して、総務省は「地方公務員の給与につき、総務省から各地方公共団体に対して、今回の国家公務員に係る時限的な給与削減措置と同様の措置を実施するよう要請することや、強制することは考えていない。」と明確に回答しています。

さらに12月2日の朝日新聞が指摘しているように、同じ財政審で財務省は、公立小中学校の教員の定員削減を来年度の予算編成で目指す方針も示し、少子化で子供の数が減っているのに、教員数が減っていない、という財務省の見解を述べたとのことです。「35人学級の実現」を目指している文科省は今後5年間で約2万8千人の増員を求めています。国内総生産(GDP)と比較した教育費では、日本は経済協力開発機構(OECD)加盟国のなかで、最も低水準であることが知られており、公立学校でのいじめによる自殺が社会問題になるなかで、恥ずべき姿勢と言わざるを得ません。

国際比較と言えば、国家公務員の賃金にかかわって、人事院が10月1日、「公務員給与決定における議会の役割~米国・ドイツにおける考え方を踏まえて」と題したパネルディスカッションを開催しました。アメリカからティモシー・カリー氏(アメリカ人事管理庁労使関係担当副長官補)、ドイツからダニエル・クリスティアンス氏(ドイツ連邦内務省給与担当課長)がパネリストとして発言し、国家公務員賃金の国際比較が示されました。資料によると、日本の国家公務員の賃金は、25歳でアメリカの70%、ドイツの71%、35歳でアメリカの66%、ドイツの78%、50歳でアメリカの61%、ドイツの67%しかありません。そして、主要先進国の中で唯一日本は国家公務員の賃下げ含め、すべての労働者の賃金が下げられ続けているために、内需は縮小し続け、日本経済に深刻な打撃を与え続けているのです。

今回の国家公務員一律賃下げは、国の財政再建はおろか、震災復興のためにさえなっていません。被災地で必死に奮闘している県や市町村職員にも賃下げを押し付ける財務省の主張は、倫理的にも断じて受け入れることはできません。
(2012年11月13日付け長崎市従組情報より)

posted by nagasakikenrouren at 08:14| 秋闘 | 更新情報をチェックする